最後の秘境?

image

タイトルにひかれて買い求めました。
仲間うちでも結構話題に上っている本。
(でも、実際読んだ人はあまり聞かない)

帯にもありますが「芸術界の東大」、東京藝術大学。
音楽・美術を志す者なら一度は憧れる
でも、ごく幼い頃から目指していないと入れない学校。

と思うと、どんな所だろうと思いますよね。
音楽とか美術とかやっている人って、変わっている人多いし。。。
生まれた時からそんなところを目指して
わき目も振らずに暮らしてきた人たちが集う日本の最高峰。
ってことは、 まさしく「最後の秘境探検記」!!
そんなにすごいところなんだ、藝大って。
ワクワク。。。

と思いきや、逆にびっくり。
これって私にとって当たり前なんだけど
普通じゃないの?と思ってしまいました。
(特に音楽学部の方。)

(以下ネタバレかもですが抜粋引用します)
「音楽とは離れたくても、離れられないもの」
「楽譜どおりに演奏するだけではダメなんです。作曲家の込めたものを読み取らないと(以下略)」
「指揮者は真っ裸」
「巨匠は、まるで息をするようにヴァイオリンを弾くんですよ(以下略)」
「一日サボったら戻すのに三日かかる」
「目が見えなくなっても、片腕をもがれても(弾ける)」
「楽器は絶対私を裏切らない」
などなど。
いちいち、その通り!うなづくことばかり。

ここにある事だけでなく、自分の身体や時間、感性、経験、考えることetc
生活の全ては音楽のためにあるというのは、私の感覚では当たり前のことですし、
私の周りの音楽家たちは皆さんこの感覚で生きていると思いますが
著者の方は常に感心したり面白そうにしていらっしゃる。

改めて、そういう世界に生きているのかと思いました。。。

けれど、小説家の人だって日常すべてが作品に通じることなどあると思うの。
コピーライターだって歯医者さんだって、
日常の延長線上にお仕事が…ないのでしょうか?

まあいいか、私は歯医者ではない。

でも!この本、ぷすっと笑ってしまうところもあるし
ほうほうと感心するところもあるし、
美術学部のエピソードなどは結構スケールが大きくて、
読んでいて楽しいです。

音楽に限らず芸術家、アーティストの「普通」を覗き見たい人には
とてもお勧めです!
私のような立場の人も、ご家族ご友人などに
ご自分の「普通」をわかってもらうのには最適な本だと思います。
もちろん、探検記としても。

何度か読み直します(^-^)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です