演舞場花形歌舞伎

いつのまにやら桜が咲いております。

新橋演舞場の「三月花形歌舞伎」へ行って参りました。
もちろん、お目当ては菊之助丈。
けれども染五郎丈はじめ、当代若手の競演ということで
期待に胸は膨らむばかり。

昼の部は「妹背山婦女庭訓(三笠山御殿の場)」と
長谷川伸さんの「暗闇の丑松」の二本立て。
「妹背山〜」といえば人形浄瑠璃の名作でもありますが
今回の花形歌舞伎では、女形の大役”お三輪”を
菊之助丈が初役で務めてらっしゃいました。
この役は単に「美しい」や「嫉妬に狂った」で片付けることができない
幾層にも折重なった内面の表現が難しいのだそうです。
松緑丈の鱶七も堂々としていてよかった。
「丑松」は梅枝丈の儚さと松緑丈の集中力が素晴らしく
ぐっと惹き付けられました。

別の日に夜の部の舞踊「二人椀久」も観てきましたが
染五郎丈と菊之助丈のなんとまあ、絵になること!
錦絵や人形が飛ぶように売れたお江戸の人の気持ちがよくわかる!
写真ではなくて、そのまま博多人形にして
おいておきたいくらいの美しさでした。

他にも次世代の若手たちが文字通り華競べ。
次の歌舞伎を背負って立つと、覚悟を決めた俳優さんたちの
力強さと美しさを間近で見ることができることの幸せを
じっくりと噛み締めています。

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