王朝懶夢譚

つい4ヶ月前。
尊敬する作家・橋本治氏がこの世を去り、
そして昨日、もう一人、
田辺聖子さんの訃報。

このお二人の作品に出会わなければ、
私は文学部に入りたいと思うことはなかったし
文学部がいいと決めなければ、
明治大学に入るご縁もなかったので
今年に入っての、続く訃報に
言葉にできない程の寂しさを感じています。

何年か前の朝ドラにもなっていた田辺聖子さんですが、
私はどちらかと言うと古典作品の現代語訳や
王朝物と呼ばれるファンタジー作品が好きでした。
普段、身の回りに関西文化が全くないので、
関西文化圏にどう対処すればいいのか
戸惑ってしまうことが多いのですが、
彼女の描く古典物には、語り口や登場人物の口吻に大阪らしさ出て来て、
それは素直に可愛らしく思えたり、ユーモアを感じられていました。

中学時代、古典に慣れるために読んだ
「おちくぼ物語」、「新源氏物語」、「私本・源氏物語」
「むかし・あけぼの小説枕草子」、
個性的な登場人物の描写が大好きだった
「王朝懶夢譚(おうちょうらんむたん)」などなど。

彼女の現代物は当時の私には大人過ぎて
ちっとも理解できなかったけれど、
今ならもう一度読んでみてもいいかなあ。

謹んで哀悼の意を表します。

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