そもそものお話

だらだら続いたお話の〆。年頭所感とも言うべき?

さて、そもそもなぜ複音とクロマティックを両方やっているかと言うと
ご存知の方も多いとは思いますが
こういう経緯が発端なわけです。(明治大学のサイトに飛びます)

もともと音楽を聴くのが大好きでしたから吹奏楽部に入りましたし、
なんとなくハーモニカのサークルに入ることになってしまいましたけれど
父が亡くなるまでは音楽は聴く専門。
その代わり、Rock、Pops、Jazz、Classic、演歌に歌謡曲
どんなジャンルも隔てなく聴かされていました。

父が亡くなって、遺品の整理に部屋に入った瞬間、
待ち構えていたかのようなハーモニカと”目が合っちゃった”のでした。
しまった!と思ったのです。

しまった、目が合っちゃった。

不思議なことに「ハーモニカから逃げられなくなった」と思いました。
モノに目がある、気持ちがあると思うのは変わっていることですが、
その瞬間を描写するには、この書き方が一番なのですね。
それと同時に、今思うと「逃げ回ってたのか〜!」と新たな発見です。
(今もまだちょっと逃げたい…)

もともと複音の音に慣れていたから。傍にあったから。
父の仕事の関係で複音に限らず、世界大会やアジア大会など
世界超一流のプレイヤーの演奏をずっと聴いてきたから。
複音に関しては環境が大きかったでしょうけれど
クロマティックに関してはなぜか。
それはこちらの記事をご参照ください。

竹内直子先生やその師・和谷泰扶先生、
Stevie Wonder、Toots Thielmans、The Adler TrioのDanny Ronen、
Tommy Reilly、Larry Adlerなど名だたる名プレーヤーの演奏を聴いて
非常に感銘を受けたから、というのも理由ではあります。
クロマティックのみならず、Howard Levy、Lee Oskar
生前の佐藤秀廊先生や林淑子先生など素晴らしい奏者がよりどりみどりでした。
うん。素敵な音楽だ、と思うことが多かったのが
私がハーモニカを始める理由のひとつだったかもしれません。

そしていろいろな種類のハーモニカをやってみて、一番の魅力は何だろうと思うと
そのとりどりの音色と「吹く」だけでなく「吸う」ことでも音が鳴るというところ。
歌よりも奏者の感情や精神をrevealしてしまうところかなと思っています。

好きな音楽があって、憧れる奏者がいて
私もあんな風に表現できたらなと思うことがあって
自分の好きな音楽を一番私らしく表現することが出来るのが
ハーモニカだったということ。

いまそれをお仕事に出来ていることは幸せなことなのかもしれませんね。

ひとに教えるのはいまだに慣れないことが多いですが
私の演奏を聴いてハーモニカに興味を持ってくださる方が増えることは
とてもとても光栄なことだと思っています。

今年もまた多くの方との出会いがありますように。

十種競技者について

プロフィールに
「ハーモニカの十種競技者を目指し奮闘中」と載せていると
必ずと言っていいほど、これってなんですか?と訊ねていただけます。
(それが狙いさっ♪)

ハーモニカには一般的な
複音、クロマティック、テンホールズ(ブルースハープ)以外に
アンサンブル用も含めて様々な種類(主に音色の違い)があります。

バスハーモニカ(シングル/ダブル)
コードハーモニカ
ホルンハーモニカ(ソプラノ/アルト/コントラバス)
シングルクロマティック(ソプラノ/アルト)
アクセサリー(ペンダント)ハーモニカ
ビネタ

などなど。
さらに細かく分類していこうと思えば出来るでしょう。

サウンドハウスハーモニカ一覧
http://www.soundhouse.co.jp/category/middle/199

これまで長いこと、日本ではこれらの種類のハーモニカを
積極的に一人で吹き分けようという人は多くありませんでした。
例えてみれば、ヴァイオリニストがヴィオラやチェロやコントラバスを
弾くようなものだからです。

私たちの世代のプロ奏者はリベラルで
一人で2〜3種類吹き分ける方もいらっしゃいます。
お遊び程度ならどなたでもすぐにでも出来るでしょうね。

私もお遊び程度かもしれませんけれど
ハーモニカの種類を知っていますし
とりあえず上に挙げたものは一通り音が出せます。
そして、演奏にあたって(アンサンブルの場合は特に)
この曲にはこのハーモニカの音色の方が合う、という判断ができます。
アレンジをするのであれば、自分が活かしたいパートを振り分けることが出来ます。
曲の中で持ち変えることも可能です。

私はハーモニカ奏者です。
一応、一番得意なのは複音、次がクロマティックということになっていますが
複音も好き、クロマティックも好き、バスやホルンの音も大好きです。

音色に関しては、いろいろな方が「複音は童謡唱歌演歌だね」とか
「やっぱりJazzはクロマティックじゃなきゃ」とおっしゃっているのを耳にしますし
いま現在の世間の認識としてそう分類されることが多いですが、
複音でJazzやRockをやってもコンピュータミュージックをやってもいいじゃないか!
ハーモニカだっていろいろ種類があるのだから、
その曲のイメージに合った音色のハーモニカを選んだっていいじゃないか!

と思い、曲に合わせた音色のハーモニカを選んで演奏することを始めました。
ある時、
自分がいま安心して吹けるハーモニカの種類を挙げていったら
9種類になったのです。

ということで、
「十種競技者」
目指しています♡

使用機種

さて、私が今使っている機種は
複音ハーモニカに関してはトンボ楽器製作所さんの
特製トンボバンド(1521)とプロフェッショナル22(1722)
クロマティックハーモニカはドイツHonner社(リンク先は日本代理店)の
Meister Klasse(14穴)とSuper64x(16穴)です。

理由としては、
複音に関しては、父が使っていたので元から家にあって
それで私も練習を始めたので音色、大きさ、重さ、息の入れ方など
微妙なところが慣れてしまったから。というのが一番です。

クロマティックに関しては、
師事した竹内直子先生がHonnerの3オクターヴを使っていらしたので
私もある時までは3オクターヴでHard Bopperや270Deluxを使っていたのですが
3オクターヴだとヴァイオリン曲をそのまま演奏できないという壁に当たり
その当時、西脇辰弥さんがMeister Klasseを使用していらした音色が良かったので
試しに買ってみたら吹きやすかった、というところです。
(Meister Klasseはかなりマニアックで扱いづらいのであまりお勧めしません)
クラシック以外でアンサンブルなどをやるときはそれでも音域が足りないので
4オクターヴのSuper64Xを使用しますが、最近吹きづらくなってきたので
そろそろ違う機種にしようと思っています。
どちらかというと木製ボディの音が好き。
できればMeister Klasseの音色に近い4オクターヴってどこかにないかな?
お勧めあれば教えてください。

ちなみに、選ぶ基準は音色と吹きやすさでした。
(あー、Super64は見た目がカッコいいからだった!)
鈴木楽器さんのクロマティックを吹いていないのは
別に鈴木楽器さんが嫌だからという訳ではなく
何年もやっていると吹き口の形状や息を入れた時の具合などに
慣れが出てくるのですが、製造会社や機種によって随分と変わってしまうので
何となく鈴木楽器さんの製品に手を出す機会を逸しているというだけです。
(鈴木楽器様申し訳ございません)
やっぱり面倒くさがりなのですね。

以上、使用楽器についてでした。

もうひとつよくいただく質問について。

十種競技者って?

長くなったから次回へ続く(続くんだ…)

ハーモニカについて

以前に比べて、こちらをご覧になる方が
ハーモニカをご存知の方ばかりではなくなってまいりまして
いろいろとお問い合わせをいただくようになりました。
興味を持ってくださる方が増えるのは大変嬉しいことですし
お一人お一人個別にお話をして一緒に選びにいくというような
対応が出来ればいいのでしょうけれども、
個別にお返事を書くのが大変になってきたので
あいすみませんことではございますが、
ハーモニカに関してお知りになりたい方は下記リンクをご参照ください。
(ただの面倒くさがりなのだな)

♪福山楽器ハーモニカ解説コーナー
http://www.merry-net.com/harp/harp-info.htm

♪山口牧のハーモニカボックス(試聴コーナーで音の聴き比べが出来ます)
http://www.geocities.jp/makiyuka0220/sound.html

「ハーモニカ」と一口に言ってもいろいろ種類があります。
その中で私は主に複音ハーモニカとクロマティックハーモニカを
吹いたり教えたりしています。

よく「私はどんなハーモニカを選べば良いですか」と訊かれますが

 

 

しらんがな。(心屋仁之助さん風♡一度言ってみたかったんだ〜!心臓バクバク)

好きなミュージシャンがいればその人と同じ機種をお求めになればいいし
好きな音楽があればそのジャンルでよく吹かれているものを手にすればいい。
音色が気に入ったものがあればそれを購入すればいいし
もしできればハーモニカを置いている楽器屋さんへ行って
いろいろ試奏させてもらってご自分が吹きやすいもの、
一番気に入った音の機種を手に入れればいいと思うのです。(ご予算の範囲内でね)
金銭的に余裕があれば、いろんな種類を買ってみて吹き比べてみるというのもあり。
一番高いから性能もいいだろうという理由で70〜80万円する機種を
ポンとお求めになった方も存じ上げています。(私は持ってない!)
ハーモニカを今習っていらっしゃる方からも、これから始めようとなさる方からも
「ハーモニカがやりたいです、どれを買えばいいですか?」と
ご質問いただくのは大変嬉しいことではございますが
実は私にとっては一番答えに詰まる質問だったりします。

ネットでお買い物をする便利さはわかりますが、
ギターだってサックスだってヴァイオリンだって、
初めて買いにいくなら楽器店へ行きませんか?
試奏しませんか?
ミュージシャンの○○みたいに演奏したいから同じヤツくださいとか
フルートで○○(曲)が吹きたい、ギターでハードロックがやりたいんですけど
どの機種にすればいいですか、って購入目的や予算を言いませんか?

確かにハーモニカはそれらの楽器に比べて扱っているところは少ないですし
その割には種類が多すぎて混乱することがあります。
専門の店員さんはなかなかいらっしゃいません。
それは不便でしょう。
そう言う時にはとりあえず吹いてみて音の気に入ったものを選ぶとか
買い直す覚悟で初心者向けの一番安いのを買ってみるとか
したっていいと思うのだけどな〜。。。

私自身、今の機種体制に辿り着くまでには相当な変遷を経ています。
憧れのToots ThielmansやStevie wonderが使っているものと聞けば
とりあえず購入したし、すぐに壊して何回修理に持ち込んだかわかりません。
これからもっと気に入るものが出てくれば使用機種は変わっていくと思います。

ですから、ただ漠然とした「何を買えばいいですか?」というご質問に対しては
冷たく思う方もいらっしゃるかもしれませんが
「目的に合わせてお好きなものをどうぞ」と申し上げます。

答えやすくて助かる質問は
「寺澤さんは何を使っているのですか?その理由は?」

といったところで、長くなりましたので答えは次回。