持ち歩くのに重いので普段はあまりハードカバーの本を買わないのですが、
これは気になって文庫化まで待てなかったので。
吉田修一「国宝」上下巻
とにかくよく研究されているなと感じます。
単にフィクションとしてもとても面白いし
主人公の人と為りやエピソードが誰のどういうところから取られたか
詳しい人ならすぐわかる。
でも、特定の誰かを書いているわけではなくて、
言うなれば、昭和の歌舞伎の集大成。
キラキラと時代が光って、人が輝いて
役者に限らず専門○○はどうしようもないものだねぇと
自虐を含めて皮肉に笑ってしまうような。
折しも團十郎襲名のニュース。
どうかいい時代がやってきますように。