歌舞伎座團菊祭

今年は十二世市川團十郎の五年祭として
昼の部は「雷神不動北山櫻」の海老蔵五役
夜の部は「弁天娘女男白浪」菊五郎の弁天小僧が
話題になっていますが、夜の部へ行ってまいりました。

十二代團十郎が十二世團十郎になって
もう5年も経つのか、まだ5年なのか
なんといっていいのやらわかりませんが
あの時は勘三郎、三津五郎と立て続けに亡くなって
この先どうなってしまうのだろうと
ただの見物人の私達ですら思ったものです。
幼い頃から兄弟のようにお育ちになった
当代の菊五郎丈は余りあるご心痛だっただろうとお察しします。

そんな中、歌舞伎界が一丸となってこの5年を渡りきったことを
この團菊祭は教えてくれたように思います。

「弁天娘女男白浪」では菊五郎、左團次と
團十郎の盟友であったお二人がそれぞれ
弁天小僧、南郷力丸を演じ、
またこのお二人が当意即妙、息が合ったなんてものじゃないくらいの
絶妙なやりとりを重ねていらっしゃるのがひとつの見どころ。
弁天小僧が娘から小僧に見顕しするところで娘の帯を解いて
着物の前をはだけて寛ぐシーン。
力丸に「こんなの着ていられない」と言って
力丸も普段は差し慣れない大小を置くなんてところは
お二人も楽屋へ戻るとこんな感じに寛がれるんじゃないかしらと思って
「まだお芝居の最中なんですけど、そんなに寛いじゃダメでしょ」
と思わず言ってしまいたくなるような自然さ。
花道で、せしめたお金を分ける時のやりとりや
脱いだ着物と大小をどちらが持つかと押し付け合うかっこうが
役としてだけでなく個人として楽しそうになさっているようで、
お二人の仲の良さを含めて、この舞台を観られてよかったなあ、と
心から思いました。

白浪五人男の赤星十三郎を菊之助、忠信利平を松緑が
そして留めの大泥棒・日本駄右衛門を海老蔵がという、
親の代から子の代へしっかりと受け継がれる瞬間を
目撃することができました。
(しかも見得を切った菊五郎丈や菊之助丈と目があった!
海老蔵の睨みもしっかと見えた!!)

常々、海老蔵は色悪だったり公家悪だったり
悪役の方が似合うと思っているのですが
なかでも最近力を入れているような日本駄右衛門は特によく、
きっと将来のはまり役になるのではないかと期待しています。

引き継がれるといえば。
夜の部の最後は菊之助丈の「喜撰」だったのですが
踊り出した途端にそこにいるのが三津五郎に見えて
ぎょっとしたのです。
そういえば、平成23年あたりの歌舞伎座の公演で
三津五郎が踊った「喜撰」をみたことがあって
それを思い出したのかもしれません。
菊之助丈も三津五郎の資料をよく研究なさったのかもしれませんね。
そういう、仕草や表情のふとしたところに
血筋でなくても誰かの面影をみることができるというのも
歌舞伎のように途切れることなく、先達が一所懸命継承した芸を
当代もしっかりと受け止め、脈々と受け継がれている芸の
よいところなのではないかしらん。
私の演奏もそうでありたい。

でも〜〜〜!
菊之助丈はどうも遊びが足りない!!!!!
時蔵のお梶はあんなに色っぽいのに!
喜撰のひょうきんなところは、振り付けが面白いのではなく
表情や体の角度のちょっとした遊びにあるのになあと
ちょっともったいなく思いました。。。
あ、目が笑ってないんだ。菊之助は真面目だからなぁ。
真面目が不真面目をやっても上っ面だけだからいけない。
このところ本格的に立役、それもお父上の当たり役に取り組んでいるようだけれど
根っこが違うからなかなかどうして。。。
いつかお父上のような、色も悪も粋も全部内側から出てくるような
そんな役者さんになれるといいですね。

今回も丁稚役には寺嶋眞秀くん。
かわいい盛りだ!

調印祝賀会

地元江戸川区がオーストラリアのセントラルコースト市と
姉妹都市の盟約を結ぶということで
調印式後のパーティーで演奏させていただきました。

区長さんからのリクエストで
オーストラリアの「ふるさと」とも言える「Waltzing Matilda」を
曲目に織り交ぜ、チェロとのデュオをお楽しみいただきました。

このように海外の方に複音ハーモニカの音をお聴かせする
機会をいただけますことを、いつも感謝しております。

区長さま、関係者の皆様ありがとうございました。

荒城の月

昨日は会津若松市、風雅堂で開催された
「第19回荒城の月市民音楽祭」に
出演させていただきました。

土井晩翠は名曲「荒城の月」を作詞するにあたり
会津若松の鶴ヶ城もモティフにした、ということで
鶴ヶ城には荒城の月の歌碑も建てられているという
所縁の土地です。


(会場は会津風雅堂というところ)

昨年、「おんな酒場放浪記」のロケでお邪魔した際にご縁をいただき
今回出演の運びと相成りました。
滝廉太郎の素晴らしさと土井晩翠の言葉の力
そして何より、その名曲を昇華させ、
唯一無二のハーモニカのマスターピースに仕上げた
佐藤秀廊先生の偉大さに、吹きながら圧倒される思いでした。

佐藤秀廊先生の足元には遠く及びませんが、
この素晴らしい名曲をずっとずっと吹いていきたいと
決意を新たにしました。

出演にあたりご尽力いただきました会津若松観光ビューローの皆様、
スタッフの皆様、ありがとうございました。

第19回荒城の月市民音楽祭

昨年「おんな酒場放浪記」のロケでお世話になった
福島県会津若松市の鶴ヶ城。

そのご縁で、今年行われる「第19回荒城の月市民音楽祭」に
出演させていただくことになりました。

https://www.aizukanko.com/event/155/

「土井晩翠先生が「荒城の月」の作詞をするにあたり、この鶴ヶ城を基に作詞されたという歴史に市民一人一人が誇りを持ち、これを広くアピールし、また、この名詞名曲である「荒城の月」を全市民の愛唱歌として永く後世に歌い継ぐことができるよう、その意識高揚と機会づくりの「場」として「荒城の月市民音楽祭」を開催します。」(音楽祭HPより)

複音ハーモニカ日本的奏法の祖、故・佐藤秀廊先生が編曲なさって
現代においても複音ハーモニカ独奏の最高傑作と言われている
「『荒城の月』幻想的変奏曲」を、土井晩翠ゆかりの地で
演奏させていただけることを大変光栄に思います。

開催日 平成30年5月13日(日)
開催時間14:00~16:00(開場13:30~)
会場 會津風雅堂(福島県会津若松市城東町12-1)
電話番号 0242-27-4005
(荒城の月市民音楽祭実行委員会事務局:会津若松観光ビューロー)
料金 入場無料

よろしければお立ち寄りください。