チャップリン歌舞伎

本年は喜劇王チャップリンの生誕130年という
メモリアルイヤーでもあるそうです。

国立劇場十二月大歌舞伎では
「Chaplin Kabuki Night」という催しが開かれました。

チャップリンの映画「街の灯」を歌舞伎にしたものを
若干手直しして当代の松本幸四郎丈が演じるというもの。
以前からチケットを手配していたので楽しみに出かけました。


ロビーにはお二人のパネル


上手下手にはそれぞれロゴマーク
下手のロゴはちょうど花道で見栄を切る向こうに
ロゴが見えるようになっているという巧い演出でした。

この歌舞伎は、映画「街の灯」が日本で封切りになる前に、
海外での評判を聞いた戯作者が
いろいろな人に取材して歌舞伎にしてしまったというものだそうで
その本に今回チャップリンフリークでもある幸四郎丈が
手を加えて上演となったそうです。
もうね、【チャップリン大好き感】がよく伝わってくる!
表情の作りかたやモーション、ペーソス、笑いの広げ方。
先月の「研ぎ辰」でも思ったけれど
幸四郎はこういうお役だと生き生きとしていますね。




プログラムに載っていた幸四郎=チャップリンのブロマイド。
最後のはにかみ顔なんて生き写しのようです。

筋は割愛しますが
最後の蝙蝠の安さんのセリフ
「いけねえいけねえ。
恩は掛けるもんじゃねエ…恩は着るもンだ!」
にはハッと胸を突かれました。

開演前のBGMも古き良きアメリカの音楽のような
映画音楽のような、某浦安の遊興施設の入場の音楽のような
うきうきするようなもので、
お囃子だけでなくてたまにはこういうのもいいと思いました。

チャップリンのお誕生日は4月16日。
命日は12月25日。
佐藤秀廊先生のお誕生日は12月25日。
うちの父の自慢はチャップリンと誕生日が同じこと。
なんか嬉しいねえ。

佐藤秀廊生誕120年記念演奏会

本年は佐藤秀廊先生の生誕120周年。
日本ハーモニカ芸術協会で記念コンサートが開催されました。

会の重鎮や、地方の組織を担っている方の演奏の後
若手プレーヤーということで先輩方とご一緒させていただきました。
今年の吹きおさめは佐藤秀廊先生作曲の「田園素描」全四曲。
南仏の「村祭り」から山奥にひっそり咲く「野花」、
利根川の船頭さんの「舟唄」に、日本の秋の風物詩「収穫」。
先生の絵心が伝わってくる名曲です。
昨年から引き続き2年間この曲と向き合ってきて
最後は少し情景を引き出せた部分もできたかな。
う~ん、奥が深い。。。

佐藤先生は12月25日のお生まれ。
奥様は2月14日がお誕生日。
きっとご縁の深かったお二人なのでしょうね。

矢来能楽堂「土蜘蛛」

「はじめての矢来能楽堂special 能「土蜘蛛」をみる!」
に行ってきました。

歌舞伎の演目としては何度も観たことがありますが
お能でははじめてです。


まずは玄関前に等身大のパネルがお出迎え。

はじめての方向けに、
演目前に観世喜正さんによる
あらすじの解説と、謡の体験ができたので
今まで格式が高くて難しそうとしか思えなかった
お能の舞台が、あっという間に身近な演劇に。

とにかく蜘蛛の糸がシュルシュル飛んでくるのが面白くて
(一巻き5千円くらいするって本当かしら?)
スペクタクル度が高い。

まずお目にかかることのないカーテンコールも。


土蜘蛛の精


源頼光公と怪僧。
左端の方が地謡と解説の観世喜正さん。


それぞれの演者さんが
いろいろとポーズをとってくださいます。

そして、最後の最後には表で記念撮影まで。

頼光公役の鈴木啓吾さんと。
なんと、この方も
明治大学文学部文学科日本文学専攻のご卒業だそうで
思わぬご縁にびっくり。

なんとも愉しい晩でした。