行く年来る年

2018年ももうすぐ終わりを迎えようとしています。
今年一年お世話になった皆さま、ありがとうございました。

今年は3月のマンダラに始まって、
11月のソロライブや久しぶりのハーモニカアンサンブルなど
しっかりと自分の力量ややりたいことを見つめなおす時間をもらった年でした。

また、BS-TBS「おんな酒場放浪記」から
講演のお仕事もいただけたり、
祖母との思い出を綴ったエッセイが歌舞伎座の筋書に載ったりと
様々な世界が広がった年でもありました。

発表会を行ったことで、生徒さんの中にも
一つ上のレベルを目指す人が出てきて
指導者試験に合格したり、挑戦したりする人も増え
結構慌ただしい年末を過ごしています。

特筆するべきこととしては
地元江戸川区から「文化功績賞」を頂戴できたことは大変光栄で、
ひとつ区切りをつけられたと思っています。

すでに来年の演奏会のお話もいくつかいただいていますので
またこちらでご案内いたします。

最後に、先月私の所属する日本ハーモニカ芸術協会の
会報誌に寄せたエッセイを。


来年も少しずつ、活動の幅を広げていかれたらと思っています。

迎える年が皆さまに取りまして
幸多きものとなりますよう
心よりお祈り申し上げます。

十二月大歌舞伎

何かと忙しかった11月も過ぎ
落ち着いてきたので
歌舞伎お大尽。

歌舞伎座十二月大歌舞伎、昼夜ともに行ってきました。

昼の部は、壱太郎丈が女形の難しいお役に挑戦。
「於染久松色読販~お染の七役~」


主役のお染、丁稚の久松など7役を早変わりで演じ分ける
最高に難しい役どころ。
早変わりもしながら、
性別年齢の異なる役になり切らなければならない。
所作から声色、表情、そして何より心持ちの
すべて変えるのは大変でしょうと思いますが
ほんの1分前にお店のお嬢さんをしていたのに
帰ってくるなりしっかりと青年の背中になっていたりする。
骨格や筋肉の使い方がまるっきり変わっていくというのが観察できて
なかなか興味深く拝見しました。
それにしても、壱太郎丈はいい役者です。


夜の部は念願の玉三郎の阿古屋。
花魁としての演技をしながら、
三味線・筝・胡弓の3つの楽器をしっかりと弾かなければならない
これまた女形最高峰のお役です。

直前になってチケットが取れて、しかも初の桟敷席!

花道から後ろを向いた隙に、
阿古屋がニヤリと笑ったように見えて
ぞっとしました。

前回、玉三郎丈を拝見したときにも思いましたが
彼はもはや「玉三郎が演じる」という言葉なく
阿古屋としてそこにいるので
一つ一つの仕草や表情が美しいのに
底知れぬ恐ろしさがある。

夜の部では児太郎・梅枝の二人が「二人藤娘」を演っていまして
将来、女形の名跡を継ぐ児太郎と梅枝が並んで演ることはめったにないので
比べてみることができて、なかなか面白かったのですが
手を置く仕草や速度、タイミングでこんなにも変わってしまうものなのかと
愕然としました。
神は細部に宿る。
そして玉三郎丈が以前おっしゃっていた
「要はね、手がここに来るかどうかなのよ」という一言の
重みを改めて感じた次第です。

私たち音楽の世界も同じ。
緩急や強弱のつけ方でそのフレーズを生かすも殺すもしてしまう。

奥が深いですね。

江音祭


今年も恒例、江戸川区の音楽祭でした。

地元サークルさんは、イタリア民謡と日本の童謡のメドレーを。
本番になるとやはり緊張されるようですけれど、
まあこれは慣れるしかないからね。

ここ近年は、江戸川総合文化センターの通路でも
無料のクリスマスイベントをやっていて
なかなかにぎやかです。

江音祭も今年から入場無料になったのだとか。

っていうか、いままでお金とってたの?

そっちのほうにびっくりだ。

 

ピアソラ~永遠のリベルタンゴ~

数か月前から仲間内で話題に上っていた映画
『ピアソラ~永遠のリベルタンゴ~』@文化村ル・シネマ
を観に行ってきました。

公開初日の最初の回は監督の舞台挨拶もあるし
満席なのはわかっていたので、それさえ避ければいいかと
のんびりしていったら、その次の回も満席で入れず。。。

いったん仕切り直して再突撃。

アストルピアソラの長男が指揮を執った映画
ということで、音楽家というよりも
息子から見た父親像の側面が多く。
弾いている時のピアソラは鬼か般若かという形相だけれど
父親のピアソラは、ちょっとMr.ビーンっぽかった。
でも、身内が作ると私情を挟むから、客観性や平等性が薄まってしまう。
特に確執があった場合とか「自分は親に愛されていたのだろうか?」と
疑問を持っている子供の場合は。。。
この映画から感じたのは長男の
「僕は愛されたかった」という叫び。あと後悔。
死んでから懺悔したって仕方ないのに。
(全くの私見です)

なんだか1回観ただけじゃ全然理解できなかったから
やっているうちに再訪決定。
その前にこの本を読んで勉強してからだな。

ひとつだけわかったのは、彼(ピアソラ)は戦っていたのだけど
戦いたくて戦っていたわけではなくて
純粋に音楽が好きで、やっぱりタンゴが好きだっただけ。

いい音楽を作ったね。

誕生日月間閉幕

今年も無事、誕生日月間が閉幕します。
もう「ジングル・ベル」が鳴っていても怒らない。
常々クリスマスソングは私の誕生日が終わってから流してほしいと思っている。
つまりは12月に入ってからで充分。

今年の誕生日月間はとにかく充実した1か月でした。
そして、過去に起こったいくつかの事象が
すべてこのひと月に集約されるための伏線だったのだ
というように、捉えられることが多くありました。

酒場放浪記に出演するようになってから
たまにいただくトーク系や講演会のお仕事も、
とても楽しんでおしゃべりさせていただいていますが、
9日のソロライブ、そして、日芸協でのゲスト演奏のアンサンブルを通して
やっぱり私はハーモニカ奏者(おたく)なのだと確信しました。
これからの人生もまだいろいろなことが起こるでしょう。
それらの中には、自分の意志ではどうしようもないこともあるでしょう。
それでも何らかの形で諦めずにハーモニカと、音楽とかかわっていく、と。

それにしても、よくこの年まで大きな病気もせずに生き延びたと
感心しきりです。
生まれた時や小さい時の、病気ばかりしていた自分に会ったら
絶対に大丈夫と励ましてあげられますね(笑)

そういえば、この間、大変珍妙な体験をしました。
駅のエレベーターで痴漢に遭ったんです。
相手が未成年だったので、
事を荒立てず相手を刺激せず
穏便かつ無事にこの場を収めるには、と
目まぐるしく脳みそがフル回転した結果
口からすべり出た第一声が

「おばちゃん、そういうの興味ないの。」

言ってから自分で

「いまおばちゃんって言った???」

と笑ってしまいましたけれど、
相手は固まってしまったので、無事、難を逃れました。
防犯カメラに写ってるよ~と言ってあげた方がよかったでしょうかね。
なんて考えられるくらいには、人生を生きてきたようです。
(そのあと彼は逃げましたが、駅長室には報告済です。
繰り返されるようなら警察へ連絡するとのことでした。)

今年もあと一か月。
何事もなく、楽しく過ごせますように。